学会長挨拶

作業療法とは何か?作業とは何か?との問いに、先人たちは「作業療法の核を問う」とのテーマで何度も学会で検討してきた。最終的には「作業が核である」との一つの回答を示しているが、いまの作業療法において「作業」が核であると、だれが認識しているだろうか。他職種の皆さんやクライエントの方々、行政に関わる方々は、作業療法は「作業」が核なのだと思っているだろうか。そもそも作業療法士間で「作業」が核であるという共通認識を有しているだろうか。Kielhofnerは作業療法のパラダイムシフトの中で医学モデルを中心としたパラダイムに移行した際、作業療法士の仕事は「機能という狭い関心」に留まり、仕事が浅くなり、作業療法士間の同一性が失われたと述べている。その指摘通り作業療法士は施設ごとに別々の作業療法士像を持っている状態にある。

 この同一性が失われた状態を私はネガティブに捉えていたが、周囲を見渡すと同一性がないからこそ様々な試行錯誤が生まれ、新たな形が生まれていることに気がついた。神奈川県内には高齢者が輝く地域づくりを先進的な試みで実現している「ぐるんとびー」を始め,「遊びリパーク Lino’a」、「高次脳機能障害支援施設クラブハウスすてっぷなな」など「作業を核」とした新しい試みにあふれている。この神奈川の試みを全国に発信しつつ、全国に溢れる「作業を核」とした試みを集めた学会を開催しようと,多くの支援者たちに支えられ計画を進めている。

同一性の失われた現代において、様々な多様性を持った試みを一度すべて受け入れ、作業療法とは何か、作業療法の強みは何か、作業療法は何ができるのかを、知って、考えて、行動してほしいと思った。その瞬間、多様性を意味する「ダイバーシティー」と、包含を意味する「インクルージョン」との言葉が浮かび、学会テーマを「ダイバーシティー&インクルージョン」とした。旧態依然とし遅々として進まない「作業療法とは何か?」の疑問を,本学会を通して一歩進めていきたい。

第19回神奈川県作業療法学会
学会長 藤本一博 
(茅ヶ崎北陵病院)

学会長からの動画紹介

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学会はアカデミックなお祭り!作業療法人生を豊かにする3つの理由!!

学会長の藤本です。
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